新浅川鉄道の部屋小田急バス私設ファンクラブ実録シリーズ > D382さよなら乗車会

title

D382号車 さよなら乗車会

小田急バス最後の「6Eボディー車」を楽しんだ3時間

 D382号車は1994年にデビューし、狛江営業所一筋に活躍しました。車体は富士重工業製ですが、同営業所管内路線の特殊事情から、一世代前の「6E」と呼ばれる型を採用しています。昭和のイメージを色濃く残す人気者でしたが、2007年5月、ついに除籍が決定。小田急バス私設ファンクラブはD382号車の引退を惜しんで、5月12日(土)にさよなら乗車会を開催しました。


▲調布駅南口で待機中のD382号車

 ツアーは D888号車 のときと同様、調布駅南口から出発しました。今回は除籍情報を得て緊急に企画したため、どれだけ参加してもらえるか不安もありましたが、フタを開けてみると3〜4日で座席定員の21名が埋まりました。ただし前回のようにバス用エプロンや記念品配布の準備は間に合わず、フロントガラスの内側に納まるサイズのプレートを段ボール紙で作ったものの、ちょっと地味なスタートになりました。


▲稲城市平尾付近

 まずは調布駅から車返団地折り返し場に向かい、1回目の撮影タイム。運転士さんのご好意によりエンジンルームや非常口開扉の様子なども見せていただき、いろいろな角度からの写真が楽しめました。この後、稲城大橋を最高速度60km/hで突っ走り、車内では録音を始める人もちらほら。いつの間にかできた稲城市役所前→向陽台(尾根幹線)の新道を発見し、当初予定していた保健センター前経由を急きょ変更、尾根幹線を快走しました。ここもD382号車にとっては最初で最後のルートとなるでしょう。


▲新百合ヶ丘駅前で並んだ町田、生田、狛江の各車

 坂浜から峠を越えて新百合ケ丘駅に到着、ここで約30分の休憩。現地では通常の路線バスに一緒にロータリーで並びましたが、居合わせた乗客からは、バスそのものよりもこれを撮影するツアー参加者が注目されていたようです。D888号車で来た場所でもあることから、事前に新百合ケ丘駅で待機していた一般バスファンも。


▲聖マリアンナ医大行きのE9213号車が前方に

 ここからは百合ケ丘駅、原店前の山頂を通って、長沢方面へ。狭くて急な下り坂の連続で、382号車は慎重に下っていきます。こんなところも生田のエルガが普通に往来することに車内からは驚嘆の声も上がっていました。


▲営業所に帰着した382号車

 長沢から専修大学前を通って世田谷通りに入り、午後3時半ごろ、382号車は狛江営業所に到着。ツアーそのものはここで解散ですが、第二車庫での撮影許可を事前にいただいていたため、参加メンバーのほぼ全員による最後の撮影会が始まりました。メンバーの一人、Kさんの粋な計らいによって、運転士さんへの花束贈呈を執り行い、文字通り花を添えました。


▲花束で飾られた382号車のフロント

 というわけで、乗車会は無事終了しました。382号車が今日まで走った距離は、地球を13周以上回った約55万8000キロでした。

 今回は幹事の準備不足を、参加者の皆さんのご協力で何とかカバーし、382号車の花道を飾ることができました。皆さんには大変お世話になりました。これからも機会があれば、こうした乗車会を行いたいと思います。


Odakyu Bus Private FC Top